『How to Take Smart Notes』
デジタルにおけるノート術においてよく言及される本。
書名:How to take smart note
スマートなノート(スマートノート)の取りかた
副題:One Simple Technique to Boost Writing, Learning and Thinking – for Students, Academics and Nonfiction Book Writers
書くこと、学ぶこと、考えることを加速させるたった一つのシンプルなテクニック 〜学生、学者、ノンフィクションライター向け〜
『How to Take Smart Notes』
https://scrapbox.io/files/6077ba878eeed1001ce24d84.png
Sönke Ahrens,2017
subtitle:One Simple Technique to Boost Writing, Learning and Thinking – for Students, Academics and Nonfiction Book Writers.
epigraph
「書くことなくして、考えることは叶わず」(ニクラス・ルーマン)がカッコイイrashita.icon
TOC
Introduction
1. Everything You Need to Know
2. Everything You Need to Do
3. Everything You Need to Have
4. A Few Things to Keep in Mind
The Four Underlying Principles
5. Writing Is the Only Things That Matters
6. Simplicity Is Paramount
7. Nobody Ever Starts From Scratch
8. Let the Work Carry You Forward
The Six Steps to Successful Writing
9. Separate and Interlocking Tasks
10. Read for Understanding
11. Take Smart Notes
12. Develop Ideas
13. Share Your Insight
14. Make It a Habit
Afterword
Bibliography
Index
Introductionには何が書いてあったか
rashita.icon
すべての知的活動はメモから始まる。
「書くことは白紙のページから始まる」という the myth of the blank page(白紙ページの神話、あたりかな) という信念が、書く人に混乱をもたらす。しかし、その信念は誤りである。書くことは、それまで書いてきたことの発展的行為である。
よって、日々の(メモを)書くことが、極めて大切である。本書はpool of notes (メモの宝庫)を作るための方法を教授する。
1 Everything You Need to Knowには何が書いてあったか?
「計画を立てること」は 研究や思考、学習などのようなopen-endな(正解がないものに対する)プロセスには適さない
通常あるテーマに対する洞察を得ることは予想できないにも関わらず、どうやって計画を立てるのか
何によってプロジェクトを駆動させるのか?
洞察や新しいアイディアが原動力になるようにWorkflowを構築すること
(後述の、ツール単体ではなく、ツールを組み込むWorkflowこそが大事という話に繋がる)
異なるアイディアを賢く組み合わせ、新しいアイディアを生み出すために、増え続ける情報をトラックするシステムが必要
1.1 Good Solutions are Simple – and Unexpected
Writing is not a linear process.
GTDはビジネスマンには適しているが研究者や学生の論文執筆、ノンフィクション作家の創作活動には適さない Next Stepが"ページを書くこと"になってしまい機能しない
GTDから学ぶべきことはthe holistic perspective
どんなに優れたツールであっても単体で利用していては大きな違いはない
よく考えられた作業プロセスに組み込んでこそ強みを発揮する
Only if you can trust your system, only if you really know that everything will be taken care of, will your brain let go and let you focus on the task at hand.
1.2
rashita.iconルーマンさんは独学で頑張って社会学者になり、たくさんの書籍を執筆したりなどした。
その生産性の秘密は「slip-box」にあるのだが、単にそれがあればよい、というわけではない。正しいワークフローの中にslip-boxが位置づけられてこそである。
正しいワークフローは複雑なものではなく、むしろ極めて単純なものである(だから人々はそこに秘密があるなどとは思わない)
しかし、ルーマンは困難を自分に課すようなことはせず、「簡単なこと」しかしないと述べている。ハードルを越えるようなスポ根的根性論は出てこない。
1.3 The slip-box manual
何かを読んだとき、書誌情報をカードの片面に書き、その内容に関する簡単なメモを残す
そのメモを見て、自分自身の考えや書いたものの関連性を考える
mainのslip-boxに戻り、アイデア、コメント、考えを新たなカードに書く
slip-boxに入っている既存のメモを意識してメモを書く
文章に関するメモは、短くても完全な文章を書く
直接既存のメモに書いたり、チェーン状に繋げたりする
メモを単独のままにしておくことはほとんどない
本を読んだ時のアイデアや引用を単にコピーはせず、あるコンテクストから別のコンテクストに移行する(自分の言葉で書く)
メモを追加するときはその他の関連メモが繋げられないかどうか確認する
メモの後ろに直接追加
メモにリンクを付ける
ハイパーリンク(個人的wiki、データベース)とは違う
メモ間でリンクを追加することで、同じメモに異なるコンテクストを持たせることができる
他のシステムではあらかじめTopicの順番が決められてしまっているが、Luhmannはボトムアップで開発した後、関連するメモのリンクを並べ替えることでTopicを分類した
We need a reliable and simple external structure to think in that compensates for the limitations of our brains.
rashita.iconルーマンのslip-boxについての説明。
一枚に一つの事柄を簡潔に、そして最終的な原稿と代わらないように書く→豆論文
スゲー重要なのは以下。
He usually wrote his notes with an eye towards already existing notes in the slip-box.
すでに自分が書いたメモを意識して、つまり何か関係性があるのではないかと考えながらメモを書いた。
Scrapboxでよくやっていること。
このようにして書かれたメモ(カード)は、それを言及する別のカードの中で別の文脈を帯びることができるようになる。また、カードのリストのカードを作ることで、粒度を一つ上げたメモを作ることができる。これは思考のチャンク化と呼べるだろう。
2. Everything You Need to Do
rashita.icon
ゼロから論文を書くのはめっちゃたいへんかもしれんけど、日ごろから書くことを行っていれば、あ〜ら不思議、あとは議論整理するだけで終わり!、という状況が作れちゃいますよ、という導入。
2.1 Writing a paper step by step
8つのステップが紹介されている。
1. 思いついたことは何でもメモする
2. 文献ノート( literature notes)を書く
3. パーマネントノート(permanent notes)を書く→豆論文のようなもの(たぶんmini paperとかそういう表現の方が良いのでは、という気はした)
1と2を読み返しながら、書いていく。
4. 作成したパーマネントノートをslip-boxに入れる(他のノートのリンクを作る)
5がむちゃ重要
Develop your topics, questions and research projects bottom up from within the system
簡単に言えば、自分のslip-boxと対話すること。
これが、アイデアの自己組織化を促す(次のステップにつながる)
梅棹忠夫の「カードをくること」がこれに相当する
全文引用。
5. Develop your topics, questions and research projects bottom up from within the system. See what is there, what is missing and what questions arise. Read more to challenge and strengthen your arguments and change and develop your arguments according to the new information you are learning about. Take more notes, develop ideas further and see where things will take you. Just follow your interest and always take the path that promises the most insight. Build upon what you have. Even if you don’t have anything in your slip-box yet, you never start from scratch – you already have ideas on your mind to be tested, opinions to be challenged and questions to be answered. Do not brainstorm for a topic. Look into the slip-box instead to see where chains of notes have developed and ideas have been built up to clusters. Don’t cling to an idea if another, more promising one gains momentum. The more you become interested in something, the more you will read and think about it, the more notes you will collect and the more likely it is that you will generate questions from it. It might be exactly what you were interested in from the beginning, but it is more likely that your interests will have changed – that is what insight does.
6. 材料が溜まると全体像に関するアイデアが浮かんでくるので、それを一覧するなどしてさらに検討する
7. そうしたものをラフな原稿にする
8. 原稿を完成させる。そして、次の原稿へ
3. Everything You Need to Have
rashita.icon問題を解決するために複雑なツールを持ち込む必要はない。
むしろ細かいテクニックがたくさん導入されることで気が散ってしまうようなことが増えかねない
ワークフロー全体の一部として、ツールなりテクニックなりが位置づけられていることが大切
3.1 The Tool Box
rashita.icon以下の四つのツールが必要
1. 即座にメモできるツール(ユビキタスキャプチャーを支援するもの)
2. リファレンス管理ツール
論文管理ツールが言及されているが、本を読むだけならScrapbox+ブックマークレットとか、そういうので良いだろう。
あるいは、自作のブックマークレットを改造するタイミングがやってきたかもしれない(今のやつは余計な情報が多い)
とりあえず、自分が読んだものに関する情報をキャプチャーできるツールということ
3. slip-box
A6のカードでもいいが、デジタルツールが良いよ、というアドバイス
zettelkasten,Scrapbox,Obsidian,Roam Researchなどはページ間リンクやバックリンク支援がある
それがなくても、頑張って手動でリンクを張るならEvernoteでもやっていける(どうせ、一日に大量のノートを処理することはない)rashita.icon
4. エディタ(テキストエディタ、マークダウンエディタ)
上のデジタルツールなら基本的にエディタ機能もセットになっている
4. A Few Things to Keep in Mindには何が書いてあったか
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ツールを揃えるのは簡単だが、それはまだスタートラインに立ったに過ぎない。
フルートをうまく吹けるようになるためには練習が必要なように、slip-boxもその扱い方の習熟があってこそ、真価を発揮する。
The Four Underlying Principles
5 Writing Is the Only Thing That Matters
rashita.icon書くことがむっちゃ大切だよ、というお話。
Making something public always means to write it down so it can be read.
何かをパブリックにするとは、それを読めるように書くこと
6. Simplicity Is Paramount
rashita.iconシンプルというか、規格化されていることが大切だよ、というお話。
ワンアウトラインの思想に近い。
揮発性の高いメモをたくさん作って満足するのではなく、毎日少しずつ豆論文を書いていけば、将来の自分にとって役立つものになる、ということ
rashita.iconシゴタノ!で連載している話と同じ
コンテナの導入は、単にコンテナが使われるようになっただけでなく、港が巨大化したり、港労働者の仕事がなくなったり(機械化が進んだから)など、流通全般の変化が起きた。それと同じように、slip-boxシステムを導入することは、単に保存する箱を増やすことではなく、「毎日少しずつ豆論文を書いていく」を実践することなのである、ということ。
そういう永続的な知識箱とは別に、プロジェクト別の置き場所があるのは別に良い(それが終わったら、すべて捨て去るようなものたちを保存しておくための場所)。
コンテナ革命
アイデア自体はシンプルな「コンテナ」を用いるということを他の人ができなかったのは、インフラや日常のルーティンを変えずに、コンテナを自分たちの業務に加えようとしていたため)
slip-boxはアカデミックな世界における「コンテナ」である
異なるアイデアごとに別々のストレージを持つ代わりに、全てを同じslip-boxに入れる、かつ、すべて同じフォーマットにする標準化されている
slip-boxも同様に、ツールだけ導入しても意味がない(ワークフロー全体の見直しが重要)
メモの種類
Fleeting notes 情報を思い出すためのメモ
Permanent notes 決して捨てられることがなく、永続的に理解できる形で必要な情報を含んでいるメモ
Project notes 特定のプロジェクトのみに関連するメモ
プロジェクト特定のフォルダに保管され、プロジェクト終了時に廃棄・アーカイブされる
7 Nobody Ever Starts From Scratch
書くことがゼロからスタートすることはない。
たとえば「興味あるテーマ」を選ぶ場合、自分が過去に影響を受けてきたものから選ばれる
そうしたものを記録して残しておけば、ずいぶんとスタートが楽になる
スクラッチで、「まずテーマを決めましょう」と言われたら、そりゃ怖くなって当然
ライティングは直線的なプロセスではないので、小さいノートを少しずつとり、それを長期的に眺めたときに、非常にたくさん集まっているものに注意を向ける→まとめてみる→やっぱり違うなと問いの切り口を変える、というように進められるようにしておくと良いよ。
rashita.iconなんやかんやで、毎日のようにブログを書いてきたのは、上のような効果があったのだなと振り返って思う。
Every intellectual endeavour starts from an already existing preconception, which then can be transformed during further inquires and can serve as a starting point for following endeavours.
8. Let the Work Carry You Forward
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正のフィードバックループを確立すること。
The Six Steps to Successful Writing
9. Separate and Interlocking Tasks
9.1 Give Each Task Your Undivided Attention
rashita.icon僕たちの注意力は散漫になっているよ、というお話。
9.2 Multitasking is not a good idea
rashita.iconマルチタスクが得意だと思っている人もだいたいそれは勘違いだよ、という話。
小さく独立したタスクに構造化するのがよろしかろう。
9.3 Give Each Task the Right Kind of Attention
rashita.icon一口に「書く」といっても必要な注意は違う。
少なくとも、二種類の注意を使い分けられると良いよね。
広く開かれた遊び心のある心と、狭い分析
9.4 Become an Expert Instead of a Planner
小さな実践をたくさん行うことでフィードバックを回し、経験に裏打ちされた直観を鍛えよう→expertになろう、というお話。
9.5 Get Closure
rashita.icon何かを終えると、脳はそれを忘れて認知資源を解放するし、終わっていなければそれについて考え続ける。
GTDは、「処理」することでメモリを解放させる方法であるが、たとえばあえて「処理」しないことで、その対象について心を遊ばせることもできる。
9.6 Reduce the Number of Decisions
rashita.icon意志力は有限だから、決断することを減らそう。
そのためにも、規格化された(統一された)メソッドを使うのは有効だよ、というお話。
10 Read for Understanding
10.1 Read With a Pen in Hand
rashita.icon読みながら書くことについて。読書メモのやり方。
丸写しすることが目標ではなく、内容を自分の言葉でまとめ直すこと。そして、自分がそれまで考えてきたこと(つまりslip-boxの中身)とどのような関連があり、どんなことが言えるのかを常に念頭においてノートを書くこと。
頭の中に、主たるアイデアを高速に識別/描写可能な幅広いlatticework of mental modelsもしくはセオリーを持っているかどうか
新しいことや不慣れなテーマを扱うときにはどうしてもメモが多くなるが、省略できない行為であるため、神経質にならないこと
literature notesの誤った方法
文章の内容に関わらず、どんなものにもSQ3RやSQ4Rなどの読書法を適用してしまう
メモを取る目的が明確ではない
長い引用、下線や本への書き込みだけ
そもそも、メモを取らない
特定のコンテキストからアイデアを抽出するときは、今まで自分が使わない言葉で書かれた特定のコンテキスト、特定の議論、特定の理論を扱うことになる
自分の言葉で扱えるようにしないと、別のコンテキストでは利用できない
引用をコピーするだけでは、意味が変わってしまう
アイデアのパッチワークにしかならない
10.2 Keep an Open Mind
rashita.iconいかにして先入観にとらわれずにアイデアを発展させていくか(自分の先入観に抗えるか)
最初にプロジェクトのテーマを決めて、それを補強するアイデアを集めていく、というやり方をする限り、先入観は強まるばかりであり、もともとのテーマから逸脱してしまう物事は否定的に受け取られてしまう。
そうではなく、日々の観察と考察を積み上げていく真のボトムアップを行い、そこから全体として何が言えるかを考えていくようにする。
slip-boxとの対話を通じて。
10.3 Get the Gist
Gistは主旨、要点、要項、骨子のこと。
rashita.icon単に読むだけではなく、読んだことの要点を抽出して文章で説明することで、情報を扱うためのメンタルモデルが鍛えられる。
rashita.iconたとえば、あるジャンルの論文を複数読んでみると、それらに繰り返し出てくる用語や論立てのパターンはそのジャンルでの「定石」であることがわかり、それがわかるということは「定石」でないものがわかることも意味する。そういうパターンを適切に捉まえられるようになるためにも、単に読むだけで吐く、抽出的に読むことが(そしてノートを取ることが)大切。
10.4 Learn to Read
rashita.icon文章をただ読んだだけだと、あたかも頭が良くなったかのようなハッピーな気持ちがしてくるけども、実際は何も理解していないの以前と何も変わっていない。
自分が読んだことを言葉にしようとすると、そこで不理解を突きつけられて残念な感じがするが、しかしそうした残念な感じをくぐり抜けないと理解には至れない。
再読とかも、「理解した感覚」が強まるだけで特に良いことはない(個人的にそれは否定できると思うが)
10.5 Learn by Reading
rashita.icon負荷がない筋トレがありえないように、頭を使わないで頭が良くなることはありえない。
だから、教師が先回りしていろいろ準備して、生徒が後はただ聞くだけ、という体制になっているのは皮肉なことに逆効果である可能性が高い。
読書をしてノートを書いたりすることは手間のかかる回り道だという気がするが、実際一番効率的な学び方なのである、と著者。
11. Take Smart Notes
rashita.icon文章とコンテキストについて。ある一文が全体の文脈の中でどのような意味合いを持つのかを捉えることが大切。それができることで、別の文脈において(たとえばそれは読み手の問題意識において)どのような意味合いを持つのかも思考できるようになる。
それができなければ、科学的な思考は不可能だと論じる人もいる。
その意味で、文脈をはぎ取った形で引用を収集するのは意味がない。
自分でそこに書かれていたことを説明する→文脈を整えて文章化することが大切
11.1 Make a Career One Note at a Time
rashita.iconslip-boxにおける創発について。
小説であれば「一日10ページ書く(あるいは何文字書く)」という目標設定は可能。しかし、論文などの研究的なものはそのような目標設定でゴールまでをプランニングすることはできない(実際半分以上の博士論文が完成に至っていないとも言われる)。
「一日に10ページ書く」のではなく、「一日にメモを6個書く」ならばどうか。ルーマンは平均してそのように書いていたと推測される。
slip-boxにメモが6個増えることは、それと同等量の原稿を書くのとは質的に意味が異なる。原稿を1000字書けば、1000字のアウトプットが生まれるだけだが、メモが増えれば知識のネットワークが進化し、つながり、アイデア、文脈の相互作用が生じる。
rashita.iconだから生産性がえげつないことになると著者は述べるが、個人的には保留が必要だと感じた。
11.2 Think Outside the Brain
rashita.icon思考における外部足場の重要性
著者のslip-boxとの対話の実例
11.3 Learn by not Trying
rashita.iconすべての物事を一字一句記憶できる能力があるとして、それはどの用に役立つのか。もしその能力が、物事を要約する能力と引き換えに得られるのならば、その人間は何かを「理解」することがひどく困難になるだろう。つまり、組織的に忘れる、ということが大切なのだ、と著者。
11.4 Adding Permanent Notes to the Slip-Box
rashita.iconカードを書いたら、slip-boxに配置しよう。
番号を振り、リンクを付けよう
12 Develop Ideas
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Because the slip-box is not intended to be an encyclopaedia, but a tool to think with, we don’t need to worry about completeness.
百科事典じゃなくて、自分の考えを進めるためのツールだから、完璧・完全・正確さをそこまで追求する必要はない。
12.1 Develop Topics
rashita.icon
インデックスは、「入り口」だけあればよい。それ以外はノート間のつながりで十分探せる。
キーワードはばんばんつければいいわけではなく、自分がそのノートをどのような文脈で理解(あるいは把握)しているのかに沿ってつけること。だからこそ、アルゴリズムの自動的な判定などは使えない。
この話は『知的生産の技術』でも似たものがあった。自分の興味関心に沿ってうんぬんのところ。
12.2 Make Smart Connections
rashita.iconノート同士のつながりを探す。その思弁が、具体的な操作(カードをくること)で行われる。
12.3 Compare, Correct and Differentiate
rashita.icon新しく「!」と思って書いたカードが、実はもうslip-boxに似たようなことが書いてあることに気がつくことがあるが、それは決して悪いことではない。同じようなことでも違いがある場合が少なくないし、それはより精緻に考えを進めるために有用である。
ともかく、カードとして書き出してあると、そのような比較による検討がかなり容易に行えるようになるメリットがある。
12.4 Assemble a Toolbox for Thinking
rashita.icon知識の網、あるいはメンタルモデルの格子を形作っていくこと。
12.5 Use the Slip-Box as a Creativity Machine
創造性における直感的理解(つながりの発見)について
slip-boxはそのための道具に数えられるよ、と著者。
12.6 Think Inside the Box
rashita.icon抽象化が重要であり、日々slip-boxを書いているとそれが鍛えられるし、またその力をカードを使うことでより発揮できるようになる、と著者。
12.7 Facilitate Creativity through Restrictions
rashita.icon規格化、ないしはそれに伴う制約が持つ創造への貢献。
13 Share Your Insight
rashita.icon原稿を書くことの効能について。まとめようとするときに、さまざまな発見が出てくる。
13.1 From Brainstorming to Slip-box-Storming
rashita.iconブレストはやめて、slip-boxストーミングをしよう。
何が書けるかではなく、自分は何を書いてきたか(どんな問いに取り組んできたか)をベースにする
13.2 From Top Down to Bottom Up
rashita.iconそのことについて十分に考えていなければ革新的な成果は生み出せない。単なる思いつきは、だいたい平凡なものになる。
13.3 Getting Things Done by Following Your Interests
rashita.icon自分の興味あることを行うのがモチベーションの維持にも重要なので、最初に計画を決めて行うというのではなく、興味の切り替えによって進む道を変えられる柔軟なやり方が望ましい。
13.4 Finishing and Review
rashita.icon原稿を進める際には、構造は柔軟に変えていって良い(→シェイク)。構造が頻繁に変更されなくなったらめでたくそれが目次になる。
rashita.icon複数のプロジェクトを進めてみること。あるプロジェクトの材料が別のプロジェクトに役立つこともある。すべてのプロジェクトは均質ではない。今興味を持って進められるものを進めるようにしてみる。
13.5 Becoming an Expert by Giving up Planning
rashita.icon私たち人間は計画がうまくない。うまくなるためには適切なフィードバックが必要。しかし、非現実な計画を立てていると、適切なフィードバックもうまれにくい。
rashita.icon線形なステップをデザインするのではなく、具体的に取れる実際の行動を目標にする。
rashita.iconこの辺の説明はGTDと似てはいるが、ナチュラル・プランニングではない点に違いがあるのだろう(ナチュラル・プランニングは線形の計画を生み出しがち)
13.6 The Actual Writing
rashita.icon初稿は初稿でしかなくて、倉下の言い方をするならばプロトタイプ稿でしかない。最初からきちんとしなければならない、という気持ちは捨てること。
rashita.icon原稿を書く上で一番大切なこと。
One of the most difficult tasks is to rigorously delete what has no function within an argument – “kill your darlings.”
14 Make It a Habit
rashita.icon習慣はあまりにも強力で、意志で乗り越えようとはせず、外部のツール(つまりノート)などを使うのがよろしい。これは『独学大全』の「外部足場」の言説に通じる。
情報サイト